2023/05/09 16:28



男の子が『生理』という存在を知るのは、多くの場合、同級生の女の子に生理が来てから数年後のこと。


自分が初めて知った時には、すでに同じ教室、隣の席の女の子は毎月経験しているなんて、なんだか信じがたいような話です。


それまでは体の大きさや身体能力、男女とはいえそこまで大きな差もなく過ごしてきたと思っていたのに、
ある時
『男女の体にはそれぞれ違いがあって、女の子は既に経験している。』
という事後報告のような形で知ることになってしまいます。


小学生の頃からプールを休んだり、集会で貧血を起こす女の子。
その子たちに対して
『女の子は体が弱いのかな』
もしくは
『元気なのにプールを休んでる。仮病だ。』
と思ったことのある方も多いでしょう。

もしかしたら直接言葉に出したこともあったかもしれません。


初めて学校で教わった時に
『なるほど。そういうことだったんだ。』
と思うのと同時に、なんだか気まずさを感じるのは
『自分は今初めて知ったのに、同じクラスの女の子はみんな知っていた。』
という状況や、
『(おそらく生理が理由だったことに)自分は知らずに触れてしまった。』など、
認識したことで生まれてしまう『恥ずかしさ』のようなものがあるのではないでしょうか。



自分には起こらず後から知らされた男の子はきっとすぐには上手く受け入れられず戸惑ってしまうでしょう。


一方女の子は毎月自身に起こる体の仕組みであり、受け入れる他ありません。


その後学校では数回しか学ぶ機会がない為、認識の差は縮まらず、男の子の苦手意識も残ったままになりがちです。



もしこれが、同じタイミングで教わっていたら、
同学年で『知らされた側と知らされなかった側』のような構図は生まれずに済むのではないか、と考えたりもします。



学校で教えられるのはほんの一部。

もしかしたら生理のことを初めて知った男の子は

『血が出るなんて怖い』
『気持ち悪い』
『なんで?』

という気持ちになるかもしれません。


でもそれは、まだ生理のきていない女の子もきっと同じように感じる気持ちだと思うのです。


そう思うことは悪い事ではなく、その後お家でご両親が

『みんなそうなんだよ』
『普通のことだよ』
『大事なことなんだよ』

そんな風に教えてあげられたら、きっと当たり前のことと認識して生きていけるのではないでしょうか。

特に男の子はお父さんからそう教わったらより受け入れやすくなるんじゃないかな、とも思います。


今までは隠すことが普通だったり、みんなが男性は関係ないと思っていたり、『知らないのが普通』と多くの人が思っていました。


けれど大人になっていくにつれ、

『もっと早く知りたかった』
『なんでもっとちゃんと教えてくれないんだろう』

そう感じたことのある男性をたくさん知っています。



生理は女性が生きる上で約40年間ついてくるもの。

街を歩いてる女性も、あなたのお母さんも、娘さんも、みんな経験して生きていきます。


『そういうもの』
『当たり前のもの』

であり、

『生理中の女性には特別〇〇しないと』

などと身構えるものではないのです。



今までは『知らないのが普通』だったかもしれない。

これからは『なんで男の子は知らなくていいんだろう?』『それってこれからも?』そんな風に考えてみると苦手意識も少し変わってくるのではないでしょうか。




☆最後に男の子がいるご両親の方へ


生理のことは女の子以上に男の子の方が学べる機会がありません。
伝え方は難しいと思いますが、ぜひ早いうちにご両親から教えてあげてほしいと思います。
もちろん体験キットを用いていただくのも大変うれしく思います。
それ以外でも、親子間で学べる時間を少しでもつくってほしい。
私たちはそういった時間がとても少ないまま大人になってしまいました。

『男の子にはわからない』
『男の子には相談しづらい』

そういったループを少しづつなくしていくことがこれからも大切なことであり、
男の子自身も、相手が『生理だから』見て見ぬふりをしなければいけないような思いはしなくても済むでしょう。


『相手が辛そうなら優しくしよう。』

『男の子だから知っちゃいけないことなんてないよ。』

そう伝えてあげてほしいと思います。