2023/05/09 16:11



『ピルを飲んでいる』と聞いて、一番最初に思い浮かぶことは何でしょう?


今まで『ピル=避妊』というイメージが強く、様々な面でネガティブな印象があった為なかなか利用しづらい存在でした。

しかし最近では避妊だけでなく『生理の不調を軽減する』というメリットが注目され、ポジティブなイメージも広がってきています。

CMで流れるオンライン処方や会社がピル代を負担してくれる制度など、徐々に存在感を増してきている『低用量ピル』。

今回はそんな『低用量ピル』ついて考えてみたいと思います。

(ここから先は考え方のお話になります。
ピルについての詳しい説明はこちらのサイトが見やすくておすすめです。ぜひご一読ください↓



『生理の不調を軽減する』


これはほとんどの女性にとってとても魅力的な言葉。

『辛くても当たり前』
『個人差のあるもの』

今まで『どうにもならない』と思っていた日常の困りごとを改善できる可能性があるのが、最近注目されている『低用量ピル』という方法です。


実際に使用した人の意見では

『不調が軽くなった』
『経血量が減った』

など、『使ってよかった!』という声も多くあります。

しかし、普段から不調を抱えている人でも、全員が『使っている・使いたい』と思っているわけではないのです。
生理が辛いにも関わらず、使わずに我慢する方もたくさんいらっしゃいます。


その理由は何でしょうか。


一度じっくり考えてみないと
『ピルを飲めば不調が軽くなる=それなのに飲まないのならあなたの自己責任だ』
のような考えになってしまうかもしれません。

いくらメリットがあるからといって『飲むことが正義』ではなく、デメリットや副作用を比較して本人が選択することが大切です。


どんな方法で、どんな副作用やデメリットがあり、費用はどのくらいかかるのか、
それを知らずに『辛いならピルを飲めばいいのに』と言ってしまうと思わぬところで相手を傷つける可能性もあるのです。


(『なぜみんな使わないんだろう?』と感じた方はぜひ上のリンクでメリット・デメリットを見比べてみてください。↑)



低用量ピルは1ヵ月大体2,3000円ほどで処方してもらうことができます。

値段とメリットだけ聞いてみると
『3000円で軽くなるならその方が良いじゃない』
と思ってしまいますが、なぜ使っていない人の方が多いのかというと、そこには様々な理由があります。


・『親が許可してくれない(頼みづらい)』

現在のような副作用の少ない低用量ピルが日本で認可されたのが1999年。
実際に使用したことのない人が多く、昔の副作用の強いピルのイメージもあるため『ピル』全般に前向きではない人もいます。
若い世代の方が『低用量ピル』という選択をポジティブに捉えている印象ですが、子供から親に『ピルを使いたい』と伝えるのはとても勇気のいること。
『使ってみたいけど頼めない』という子も実は多いのかもしれません。


・『毎日飲まなければならないのが面倒』

ピルは毎日同じ時間に飲む必要があり、何度も飲み忘れてしまうと効果が下がってしまいます。
その為面倒に感じたり飲み忘れの心配がある場合は使わない人が多いでしょう。


・『副作用がきつかった』

はじめの2.3か月程は副作用が出る場合があります。
使い続けていくと軽くなっていくと言われていますが中には体質に合わない人も。


他にも

・血栓症等のリスクが怖い
・飲んでも生理がなくなるわけではない
・費用 等、

飲むことにハードルのある人、飲んだ結果合わなかった人など理由は様々。


また、
『以前飲んでいた時はたしかに軽くなって過ごしやすかったけど、通院や費用、毎日飲むことが手間になって今は飲まずに過ごしている。』
という方も意外に多いです。


『不調が軽くなる』といったメリットも、やはり何十年も毎日欠かさず続く手間や費用と比べるとそこまでの魅力ではないのかもしれません。

例えはじめはとても魅力を感じたとしても、月に数日、特別辛い日を回避するためのサブスク代のようなもの。
続けるか解約するかはその時の生活水準やライフスタイルにもよって変わります。

そこには各々の事情があり、一概に『辛いなら飲むべき』というものではない事をご理解いただけたらと思います。



それでもピルを使用することでもっと日常を楽に過ごせる可能性は十分にあり、
何十年と続く生理、日頃不調を感じるのであれば、たとえ短期間でもどこかのタイミングで試して見る価値はきっとあるでしょう。


今は必要なくても、体の状態によって今後必要になるかもしれない。

もしもあなたの大切な人が生理のことで長く苦しむようなことがあれば、その時の向き合い方や提案できる一つの選択肢として『低用量ピル』という存在を知っておいてほしいと思います。



※ピルの他にも辛い症状を緩和するための方法はあります。
症状の原因を知るためにも一番大切なのは病院に行くこと。
ですが一番体が辛い時に病院まで行くのは無理も生じる為、大切な人であれば、付き添いや、その日は無理せず家で話を聞いてあげるなど、あなたにできるサポートをしてあげてほしいと思います。