2023/02/14 17:12
最近よく耳にする『生理の貧困』という言葉。
『数百円のナプキンが買えないなんて本当?』
『そんなはずないでしょう。』
そう思う方も多いのではないでしょうか。
『貧困』と聞くとお金がなくて買えないというイメージに繋がりやすく、
『スマホは持っているのにどうしてナプキンが買えないんだ』
と思うのが素直な反応ですが、
『生理の貧困』はいろんな状況でナプキンが手に入りづらい場合のことを指しているようで、
一概に『お金がないから』が全てではないようです。
実際はナプキンを必要なだけ買える人も買えない人もいます。
必要な数はそれぞれ違うので、
買えないけどたくさん必要な人もいるし、
買えるけど少しで間に合う人も。
自身で手に入れづらい人の為に自治体で無料で配布したり、団体からの寄付を配ったりという活動もされていますが、
一度先入観をなくして考えてみてほしいのは
『買えるか買えないかで決めるべきなのか』
そして
『普段私たちが使っている【無償提供】は誰が用意してくれているのか』
というところ。
私たちが日常利用しているトイレにはトイレットペーパーが必ずついています。
1番の理由はきっと『みんな使うから』。
しかし、男性の場合、大きい方をするとき以外『絶対に必要』というわけではないと思います。
1日外にいたとしても、『使う人』と『使わない人』がいる。
もし、
『使わない人もいるんだから、使う人が自分で用意して持ち歩くべき』
という考えの人が多かったら、トイレットペーパーは置かれておらず、1日1,2回程度とはいえ大をする際は事前にペーパーを持って行かなければなりません。
しかもペーパーを持っているのが周りの人に見えてしまえば『あの人大だ』と伝わってしまいます。
正直とても不便ですよね。
ない前提でいれば、いざ個室に入ってペーパーが切れている絶望感は味合わなくて済むし、自分のお気に入りのペーパーでおしりを拭くことができるなどのメリットもあります。
けれど、いつ大きい方をしたくなるかもわからないし、急におなかが痛くなるかもしれない。
『一応』でも置いてほしいものではないでしょうか。
一方ナプキンは『自分で用意するもの』というのがみんなの常識です。
生理の時は1日に必要な分を持ち歩き、トイレに行くときは周りに見えないよう隠しながら持っていく。
今までそうやって過ごしてきたので『当たり前のこと』ではありますが、
女性なら誰しも使うもので、
いつ生理が始まるかはっきりとはわからないし、
トイレでナプキンがなかった時(生理が始まったのに気づいた時や枚数が足りなくなった時)の絶望感はペーパーのないトイレとほとんど同じ。
それが生理現象としてこれから先もずっと存在するのなら、トイレの備品として置いてあってもおかしくはないのではないかと思うのです。
『ナプキンの無償提供』というと自治体が行っているような『誰かに・まとめて』という配り方を想像する方も多いと思います。
しかし、その方法は税金を使うので抵抗を感じる方も多く、実施までに時間も労力もかかります。
税金を使ってまとめて誰かに渡す以外にも無償提供のカタチはあり、
トイレットペーパーのように『必要なら置いてみよう』という一人一人の考えで新たなトイレの備品として加えることもできます。
まとめて渡すのではなく、『必要な時は使ってね』という方法です。
新しいサービスとして、気づいた人から設置していく方が時間も労力もかからず、
ほとんどの場所で置かれていない今だからこそ、置いた側にもメリットがあります。
しかし新たに備品に加えるとなると気づくのが、トイレットペーパーに比べてナプキンは『高い』ということ。
『同額くらいなら置いたかもしれないけど、高いとなぁ…』
実はその『高い』はナプキンを買う人達の感じる『高い』とまさに近しいもの。
実際に必要な数全てを自分が支払うとなると、
単純に
『値段として高い』
のではなく、
『(必要度と合わせ見て)相対的に高い』
と感じる人はきっと多いと思います。
トイレットペーパーは外でも自由に使えるので、家の物がなくなってしまったらひとまず外のトイレに行けば困ることはありません。
けれどナプキンは基本的に全て自分で補わなければならないので、家でも外でも自分次第。
生きているだけでかかってしまうこの出費は、どうしても『高い』と感じてしまいがちなのではないでしょうか。
とはいえこの先もずっと人は生まれ、生理は存在し続けます。
みんながスマホを持つ時代にスマホを持ったが為に
『お金がないから新聞紙でおしりを拭く』に等しい苦労をし、
『じゃぁスマホ売ればいいだろう』という選択を強いられる状況はないに越したことはないので、
オトコノコノヒ。としての理想を言わせていただければ、
いつかみんなが使うトイレットペーパーのように『外のトイレにもついているけど、家では好きなものを使う』といった使い分けができたらいいのにな、と思いました。
ちなみに、かなり先駆けてナプキンの無償提供を行ってきた場所があります。
それは『飲食店(居酒屋)のトイレ』です。
飲食店のトイレにはアメニティ(綿棒やマウスウォッシュなど)を置いている場合もありますが、その横にナプキンを置いてくれているお店もたまにあります。
使わなかったとしても『自由に使えるものがある』というだけで安心感があり、
もしかしたら急に生理が来ても、それを一枚使えることでお店の滞在時間を延ばせるかもしれません。
商業施設などでも『もしもの1枚』を置いてくれているトイレがあったら利用頻度が上がるだろうし、
学校や会社などでも毎回ナプキンの入ったポーチをトイレに持ち運んだり、足りなくなる心配がなくなれば、何かしら良い影響があると思います。
大人はなくなりそうになったらすぐ買いに行けるのですが、生理は小学生くらいから始まります。
あまりお金も持ち歩けないのに、もし外でその日に持ってきたナプキンが足りなくなってしまっても、今は手に入れられる場所がありません。
そんな時
『〇〇のトイレにはある』
『ナプキンがなくなってしまったら〇〇に行けば大丈夫』
という場所を知っているだけでも大きな安心に繋がります。
できるだけそういった場所がたくさんあってほしい。
誰かの許可を得なくても使えるナプキンが、本当に必要としている人に届けられる最善の方法だと思います。
今や『当たり前』となった商業施設や会社等でみんなが使用しているトイレットペーパーは、消耗品でありそれぞれの会社やオーナーが負担してくれている一つの『無償提供』。
ほとんどの人が自分で用意している今は、まだそういった声はあまり出ないかもしれないけれど、
『生理現象に関する不便』を減らすことはとても大切なことだと思うので、
「いつかナプキンも仲間入りしてほしい。』
というのがオトコノコノヒ。からの願いです。
それは行政ではなく、『必要なら置いてみよう』という皆様一人一人の心遣いによって実現し、
そういった心遣いは『理解』としてきっと広く伝わっていく思います。
女性はたとえ備品でも、ナプキンを使うことのない男性に負担してもらうのは申し訳ないという気持ちを感じていて、不便を感じていてもなかなかそういったことは言えません。
気づいた男性から
『毎回みんなトイレに持って行ってるんでしょ?だったら置いておいてくれたらいいのにね。』
という言葉をかけてもらえたらきっと嬉しいのではないでしょうか。