2022/11/02 20:20



あなたが理解しても今の社会は変わらないかもしれない。
けれど、あなたの子供やその先の家族を守りませんか?というご提案のお話。



生理について『理解してほしい・理解したい』こんな風にオープンに話せるようになったのは最近の話です。
長年タブー視されてきた為、最初に教わるときも男女別の教室で女の子だけ先に伝えられてきました。

『女の子だけの』『男の子には隠すもの』そんな内容と空気だったのは覚えています。

訳もわからず10歳にして全男性への秘密を抱えざるを得なくなりました。
長年そうされてきたもの。きっと親世代からすれば今だって男性には隠すものに変わりはないでしょう。


ここ数年でTV番組など、『生理』について目にする機会も増え、男性も『理解したい』『知っていた方がいいと思う』と答える人が増えている印象です。
また、学校や企業などでも生理に対する理解を深める取り組みをしたり、少しずつ男性にも生理という存在が浸透してきています。


前向きに向き合ってくれる方が増えたということは女性にとって大変喜ばしい事。
ですが実際に社会に浸透するまでにはそれなりの年月が必要です。


今男女で感じている生理へのギャップは、おそらく最初にきちんと教わらなかったから、もしくは教わる機会が少なすぎるから。

男性は特に教わる機会も少なく、自身には起こらないものです。

情報源はネットや人からの話など、根拠の薄いものの割合がどうしても高くなりがちで、『なんとなく知っている』と思っていても『じゃぁ説明して』を言われると、出所不明な情報が多く自信がなくなってしまう方も多いでしょう。


それなら小学校から一緒に教えたらいいのでは?
そう思うかもしれませんが、今小学校に通っている子の親御さん世代は今の状況の方が慣れています。
特にお母さんは『男の子にはまだ理解できないだろう・下手に教えたら自分の子が嫌なことを言われるかも(言ってしまうかも)』などの不安が大きいと思います。


なぜそんな風に思ってしまうのか。
それは『そういう環境で育ったから』です。


『男性は知らなくて当たり前』『生理の事知らないのに嫌なことを言われた(された)』『教えても理解されない』
今は慣れてしまったとしても、最初に嫌な思いをした印象は長く残るものです。


私自身の経験をあげるなら、中学生の時男子に呼び止められ『女子って生理があるんでしょー?もう来てる?』と聞かれ『そうだよ。』と答えると『あいつもう妊娠できるって』とニヤニヤされたことがあります。
知らないとはいえ、その人への好感度が急降下したのは言うまでもありません。


『なぜ理解してほしいのか分からない』
『自分は本当に理解した方が良いのだろうか』

そう思う方に想像してみてほしいのは、『自分の子供や孫が誰かにそんなことを言われた・言った』としたらあなたはどう思うでしょう。


これを読んでいるということは、あなたは生理に関心がある方なのだと思います。
あなた自身はこれからも生理について学んでいくとします。
当然自分の娘に対しても適度な距離で寄り添い、見守ることができるでしょう。

それがある日、学校で生理のことを男子にからかわれ、ショックを受けて帰ってきたらあなたはどうしますか?


自分は理解している、そうなると『男にはわからない』とは言えません。
なにより大切な娘を傷つけられた怒りは大きいでしょう。


その未来を変えられるとしたら『生理を知っている男性』が過半数を占める世代が、親や先生・会社の上司などになる必要があります。
幸いその割合は確実に増えてきています。これからももっと増えていくでしょう。


今生理がある女性は今の環境に慣れてはいます。
しかし今見ている女性の姿は『我慢』を積み上げて保っている部分もあるのです。
(体調の不安や困ったことがあっても周りにすぐに相談できないなど)

大切なのはこれから生理を向かえるであろう女の子たちに『男性にはわからない』『一人で我慢するべき』と思わせない環境をつくる事ではないでしょうか。


あなたが男性でも、あなたの子供や孫は男性ではないかもしれません。


もし、女の子だった時
『お父さんは男だからわからないけど女の子に生まれたんだから我慢も仕方ないよね。』

女の子にしたのはお父さんでもあるのに…
そんな風に考えていていいのでしょうか。


あと何十年後になるかわかりませんが、あなたが理解することであなたの家族が守られる未来に一歩近づきます。

それは小さな一歩でも大切な一歩だと思います。