2022/11/02 19:53
人間にはさまざまな生理現象というものがあります。
・排便排尿
・睡眠
・咳やくしゃみ
・汗 など
男女で違うのは『勃起』と『月経』がそれぞれあり、それ以外は基本的に変わりありません。
生理現象は人間が生きていく上で必ず起こるものです。
個人差もあり、多い人も少ない人もいますがみんな当たり前にやっていることです。
しかし、月経だけ他の生理現象とは違うところがあります。
それは『生理現象によって不調が起こる』ということ。
トイレに行ったり睡眠をとるとスッキリしますが、生理は特にスッキリはしません。
むしろ不調の割合が高いです。
『体を健康に保つための現象が体に不調を与える』
それが理解されにくい理由の一つだと考えられます。
例えばトイレに行くのは誰にとっても『当たり前』のこと。
回数も人によって差はありますが、多いからと言って『減らして』とは言いません。
しょっちゅうおなかを壊す人がいても『体質かもしれないし人から言われるのは嫌だろう。』と飲み込むでしょう。
正直、あまり『気にしない』と思います。
生理による症状も本当は『当たり前』のこと。
ですが、生理のことになると、男女とも『気にする』風潮があります。
生理はまだまだ知られていないことが多く、女性にとっては『当たり前』のことでも
男性にとっては『まさかそんなところで我慢してるなんて』と想像もしていなかったりすることもあるでしょう。
『知らなすぎる』ことでうまく距離が掴めないのです。
これは決して『男性が知らないのが悪い』わけではありません。
通ってきた環境で考えたら当たり前のことではないでしょうか。
女性側も『男性は知らない』という前提で伝えるのでなるべく簡単にしようと言葉を短くして伝える時があります。
それが相手にとっていい時もありますが、悪い時もあり、分かりやすくしようとした結果『痛い』『辛い』『理解してほしい』などの強い主張が前面に伝わってしまうことがあるのです。
そこまで『こうしてほしい』というつもりで言っていなくても、男性側はどのくらい本気で受け取ったらいいのか分からず、
①全て鵜呑みにするか
②拒否するか
③慌ててしまうか
の選択をしてしまいがち。
なぜなら『痛い』『辛い』『理解してほしい』などが苦手な人はとても多いから。
普段は元気な女性が、生理が原因で突然具合が悪くなった事に少なくとも驚くでしょう。
しかし具体的に何が起きているのか分からず
①『過度に心配してしまう』
②『そんなはずないと思ってしまう』
③『どうしたらいいかわからない』
いずれかの反応にいきつく場合があります。
どの選択をしても良いのですがそれを言葉にして出してしまうのはあまりよろしくないです。
先に話したトイレの回数が多い人のように、『他人の体の事』であり『体質や人から言われたくないこと』であると想像できるからです。
よく『男性には理解できない』と言われることがありますが、そんなことはありません。
どんなものかわからないから距離が分からないだけなのです。
ある日たまたまお腹を壊していて、
『今日朝からおなか痛くて、ホント休みたい〜(我慢して行くけど)』と身近な人になんとなく話した時、
『えっ休んだ方が良いよ!』
『気のせいだよ。早く行きな』
『どうしよう…病院?薬?』
どれも過度に反応してしまっていて、話した方は『えっ何でここまで?』と感じませんか?
同様のことが、生理だと良く起こります。
本人は何気なく『生理で体調が悪い』と伝えたつもりが周りがあたふたしてしまう。
そうなると、
『そんなに大層なことを伝えてしまったんだろうか。』
『次からはなるべく言わないようにしよう』となってしまうかもしれません。
どちらも悪気なく心配しすぎてしまったり、言わないように我慢したりしている部分はあると思います。
ですが、『そういう体質の人』ということにするのがどちらにとっても良いのではないでしょうか。
他人はあまり踏み込まない方が良い事、家族や親しい人であれば心配すること。
月経以外の生理現象に対して皆が『当たり前』にやっていることです。
不調に対する周りの反応を他のものでも例えると、
ある時から夜眠れなくなり、昼もボーっとしている。
仕事中に眠くなることもあり、会社で注意されたこともある。
病院でもらった薬も効かず、原因もよくわからないとなると
本人も休むべきか、相談するべきか、このまま頑張るべきか悩みます。
会社の上司も異変に気付いていているものの、病気なのか、何か他の事情なのか、
どう声を掛けたらいいのか迷い、とりあえず様子をみるか、親しい間柄であれば
『大丈夫か?』と声をかけるでしょう。
それが正解だと思います。
あまり親しくないのであれば様子を見る、
心配になるような関係であれば『大丈夫?』と声をかける
不調に気づき、何かしてあげたり病院に連れて行くのは家族やパートナーの役目です。
不調に気付いても関わりのない人であれば『様子を見る』のも気遣いの一つだと思います。
『理解してほしい』と聞くと生理中の全女性に優しくするべき!と受け取ってしまう方もいるかもしれませんが、
言った方はあなたに理解してほしいと思っていないのかも。
『(身近な人には)理解してほしい』
『(生理についての知識を)知ってほしい』など
じつはカッコ書きの言葉が隠れている可能性もあります。
男性も
『おなかが痛い(胃痛、下痢、便秘、普通にトイレに行きたいなど)』
一言に対して相手がどのくらいのつもりで言っているのか、カッコ内のニュアンスを汲み取る力はあります。
どのくらい本気で受け取ったらいいのか適切に反応できているのは、それがどんなものなのか『知っている』からです。
生理についても知ることは何も怖い事、恥ずかしい事ではありません。
同じ人間として、片方の人に起きる『生理現象』を知るのは良い事ではないでしょうか。